Pride Monthラストウィーク:改めて考えたいLGBTQ+のこと

30/06/2019

6月はLGBTQ+のプライド月間。シンボルである虹色に彩られたSNSのアイコンや企業ロゴをよく見かけませんでしたか? プライド月間最終日の今日は、改めてジェンダー多様性に関する基礎知識をおさらいしてみましょう。

プライド月間:どうして6月?
1969年Stonewall riotsが起きた6月28日を記念して、6月に制定されました。Stonewall riotsは、現代のLGBTQ人権運動のきっかけとなった事件で、今年はそれから50年という節目の年です。2000年に、ホワイトハウスが”Gay and Lesbian Pride Month”を認定し、公式の月間となりました。

最近加わった「Q+」って、どういう意味?
性的マイノリティの総称は、これまで「LGBT」が一般的でしたが、最近は「LGBTQ」または「LGBTQ+(プラス)」といった呼称が広まっています。

Lesbian, Gay, Bisexual, Transgenderの頭文字「LGBT」、ここまでは皆さんもご存知ですよね?そこに続く「Q」は、QueerまたはQuestioningの頭文字とされています。

Queerは、「奇妙な」「変わり者」という意味で、もともとは差別用語として使われていた時期もありましたが、次第に性的マイノリティがあえて自分自身をこう呼ぶようになりました。

性的マイノリティの就職活動などを支援するウェブサイト、Job Rainbowさんの記事から引用すると…

”この「クィア」は、当時権利を主張していたゲイだけでなく、その運動の陰に隠れてしまっていたレズビアンやトランスジェンダー、クロスドレッサー(自身の性を表現するにあたり、異性装を行う)なども包括する概念であるため、マイノリティ全体を繋ぎとめ、連帯へと導く働きがあるのです。”(Job Rainbow)

Questioningは、まだ自分のジェンダーを決めかねている人、または決める必要がないと思っている人の呼称です。

Their pronouns are「They/them」

ジェンダークィアの中には、自分に関する三人称を「He」「She」ではなく「They」を使って欲しい、と求める方々がいます。ひとりに対してでも、性別がはっきりしていない場合に「They」を使うのは英文法的に間違ったことではありません。


この動画では、ジェンダークィアの方々の生の言葉が聞けます。周囲からの理解を得られない悔しさや偏見と戦いながら、自分自身に誇りを持って生きているインタビュー参加者の姿は美しいと、私は思いました。

「+」に込められた意味。

「+」=プラスは、LGBTQのほかにも無限にアイデンティティーがある、ということを指します。例えば「I=Intersexual」「A=Asexual」「Non-Binary」などといった呼称があり、全ての頭文字を並べようとするとキリがないため、「+」にまとめられているというわけです。

ここに共通するのは、ジェンダーは簡単に線引きできるものではなく、流動的なのだ、という考え方です。日によって、ある時は男性、ある時は女性、ある時はどちらでもない気分の時があってもおかしくありません。

性的マイノリティの中に、こんなにたくさんの種類があることには戸惑ってしまうかもしれません。重要なのは、ひとりひとりが自分らしいアイデンティティーを見つけられ、それがなんであろうと周りが受け入れて、尊重しあえる世の中になることではないでしょうか。

Image Description

今日は令和元年のプライド月間の最終日。
Stonewall Riotsから50年。

虹色の旗は、世界中で掲げられるようになりました。

日本でもようやく、性的マイノリティを支援する団体の活動や、LGBTQ+当事者のインフルエンサーが増えてきました。自治体によっては、同性のパートナーシップ制度を認める条例も制定されています。

一方で、未だに国として同性婚を認めるには至っておらず、その点では先進国の中でかなり遅れていると言えます。カミングアウトすることで、学校でいじめられたり、就職が難しくなるケースも報告されています。さらに、「LGBT」はまだしも、「LGBTQ+」という新しい呼称は、日本で一般に知られているとは言い難い状況です。

ロンドンというかなりリベラルな都市で勉強していると、カミングアウト済みの当事者たちと知り合う機会も多いと感じます。私自身は当事者ではありませんが、運動に共感し協力する、"アライ"(=Alliance)を自認するようになりました。

グローバルな環境で勉強できている私たちだからこそ、いち早く価値観をアップデートし、日本がさらに多様性を受け入れられる社会になるよう貢献できればなと考えます。

参考にした記事

Job Rainbow
http://jobrainbow.net/queerandquestioning

Huffington Post
https://m.huffingtonpost.jp/entry/proud-out-loud-japan_jp_5cfa69d9e4b06af8b5076378

Insider
https://www.google.com/amp/s/amp.insider.com/stonewall-history-what-happened-during-riots-lgbt-2019-6

この記事は、LGBT報道ガイドラインを参考に執筆しました。(呼称はLGBTのままですが、とても素晴らしい内容なので、ぜひ読んでみてください。)
http://fairs-fair.org/lgbt-media-guideline-0307/

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