ウエストエンドに恋して①:Why is Everybody Talking About Jamie?

17/04/2019

ウエストエンド。

ブロードウェイに並んで称される、演劇の聖地。

ヴィクトリア駅、ピカデリーサーカスからコベントガーデン付近に広がる劇場街では、毎晩ありとあらゆるミュージカルやストレートプレイが上演されています。ミュージカルオタクのワタクシは、今夜もすっからかんのお財布を握りしめ、チケット売り場に駆け込むのでした…

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(*筆者撮影:Grand Circle=三階席から見た、終演後の舞台の様子。”KEEP TALKING ABOUT JAMIE”と書かれています。SNS対策も完璧なところも、現代ミュージカル!?)

今回観劇したのは、「Everybody’s Talking About Jamie」。

ドラァグクイーンを夢見る高校生ジェイミーが、「高校最後のプロムでドレスを着たい!」という夢を叶えるために奮闘する様子を描いたポップミュージカル。”Jamie; Drag Queen at 16”というドキュメンタリーが原作となっています。

”THE HIT MUSICAL FOR TODAY”というキャッチコピーの通り、現代的な価値観や文化がクレバーに描かれていて、今のティーンズ・若者は特に楽しめること間違いなしの作品でした!

この作品は、作品の舞台でもあるシェフィールドでまず上演され、その後ウエストエンドに登場。Times紙で満天の五つ星評価を受けたり、去年のオリビエ賞でBest Musicalにノミネートされたりと、大反響を呼びました。

ミュージカル界の新風、Jamieというキャラクターの魅力

とにかくジェイミーというキャラクターが、ミュージカル界の歴史に残るんじゃないかというレベルで魅力的!健気で、明るいユーモアに溢れていて…もう、好き!こんな子がクラスにいたら絶対楽しいだろうなぁ。クラスメイトみんなに好かれる明るいキャラクター。

このミュージカルが本当に新しいのは、「ゲイ」や「ドラァグクイーン」といったジェンダーアイデンティティーそのものを主題にして"いるわけではない"ことです

もちろんジェイミーのジェンダーは彼自身を形成する大事な要素だけど、誤解を恐れずに言えば、それはある意味、キャラクター設定の粋を出ません。物語を本当に前に進めているのは、純粋に彼の夢そのものなんです。

ガーディアン誌のレビュー記事から引用をすると、"(He) has never been tormented by being gay. He does, though, have an immediate ambition which is making him anxious." (*)ジェイミーは等身大の高校生として、自分に素直に、大きな夢を追いかけようとします。それでときめいたり、つまずいたり、一喜一憂するのです。夢を追いかけて、現実にくじけそうになるのは誰だって同じ。だからこそ、観客みんなの共感を得たんじゃないかなぁと思います。

はじめてジェイミーがドレスを試着する場面では、客席からジェイミーを応援するような声援が上がったり、いじめっ子にも全く動じず、堂々と論破するシーンは「よくぞ言ったジェイミー!」って感じで歓声が上がったり。観客みんな、完全にジェイミーの味方でした。

演じるLayton Williamsも最高!初演キャストJohn McCreaが今年5月をもって降板したあと、二人目のジェイミー役ですが、また新しいパワフルなJamie像を作り上げていました。子役時代に“Billie Eliot”の主演をしたり、”Rent”のエンジェル役を演じたことでも知られる役者さんです。コミカルな間のとり方や、心に迫る芝居、繊細さとソウルフルさを絶妙なバランスで聞かせる歌声、そしてさすがのダンサーっぷりをみせています。ダンスナンバーで足をキックするときのえげつない高さにも注目です(そこ!?)。

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他のキャラクターも見逃せない!
もちろん、ジェイミーを取り巻くキャラクターも見逃せません。

ジェイミーがクラスで一番仲良くしているプリティー・パシャはイスラム系移民の子。成績優秀で心優しく、ジェイミーの相談相手となります。イギリスを舞台にした作品で、ヒジャブをつけたメインキャラクターが登場するヒットミュージカルというのは、これまでにない快挙です。

クラスメイトもそれぞれキャラ立ちしていますし、ジェイミーが憧れるドラァグの先輩たち(!?)もこれまた強烈なキャラクター揃い。見逃せません。

そして特に忘れちゃいけないのが、ジェイミーのお母さん。今作のもうひとりの主役といっても過言ではないです。いやぁ、ネタバレになっちゃうけど…ガチで泣きました。ジェイミーがあんなにピュアに育ったのは、このお母さんの深い愛情のおかげだと思うと…ああ…

キャッチーな曲や、現代的な演出にも注目

ミュージカル初心者の方には聞きやすく、古株のミュージカルファンも納得するポップな曲ぞろい。「You Don’t Even Know It」の他にも、「The Wall in My Head」、ジェイミーの親友プリティ・パシャが歌う「It Means Beautiful」など心に残る曲がたくさん。また、第二幕でお母さんが歌う「He’s My Boy」には、思わず涙してしまいました。

映像や照明、スクリーンを使った演出も楽しいです。みんながスマホをいじったり、スナップチャットのスクショ映像みたいなものがスクリーンに映る演出も。21世紀のミュージカル!って感じがします。

今回のチケット

今回は3階席にあたるGrand Circleの一番安い席で観劇。ミュージカルの劇場としてはあまり大きくはない劇場なので、ステージもそんなに遠く感じませんでしたが、肉眼でキャラクターの表情を見るにはちょっと厳しかったです。オペラグラス持っててよかった〜笑

チケットは、一ヶ月前に公式ホームページから定価の20ポンドで購入しました。外部のオンライン業者もありますが、Jamieのような人気の新作は、公式ホームページから買ったほうが安いことが多いです。

当日券狙いで朝からボックスオフィスに並ぶこともでき、ラッキーな場合は同じ値段で一階の売れ残った席を買えるのだとか。今度はそれに挑戦してみようかなぁと思います!

ご紹介した、ガーディアン紙の批評記事はこちら:https://www.theguardian.com/stage/2017/nov/26/everybodys-talking-about-jamie-review-fizzingly-fresh-west-end-musical

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